アルミ A2017 マシニング加工t18.5×85×85 4角R15
アルミA2017をマシニング加工します。板材を使用し、t18.5×85×85 4角R15
4-Φ10.5-6座繰り深さ7、4-M6P1中心Φ60×テーパー穴加工を実施する。
NC旋盤加工とマシニング加工は、横浜市にある東北製作所にご相談ください。
完成品
当社は神奈川県横浜市にてNC旋盤やマシニングなどの機械を駆使し、切削部品の加工を行っております。
多岐にわたる業種との連携もありますので、直接の加工依頼、皆様のご要望に応じた見積もりやご相談にも積極的に対応させていただきます。
「こんなことも、あんなことも、この価格でできるかどうか?」にも挑戦いたします。
お問い合わせは、フォーム、またはお電話、FAXでお気軽にどうぞ。
FAX:045-373-9155に軽い連絡先を含め、図面をFAXして頂ければ確認後、ご連絡します
仕上がり寸法を考慮し、素材はt20×87×87を購入し加工します。材料屋さんに板厚20の材料を87×87で切断して納入頂きます。
A2017は鋼材に匹敵する強度を持っていますが、耐食性、溶接性が劣ります。ただし、切削性は良好です。加工者としてはA5052ではなくA2017で加工したいです。値段はA2017の方が高いが、値段が高くても加工性の良い材料を使用したいです。ただ、アルマイト処理で色の違いが出るため、注意が必要です。
今回の加工品を写真を使用し、工程を順を追って説明します。
マシニング加工
1.マシニング加工 表1工程目
図面から、最適な寸法の素材を購入。
今回は仕上がり寸法はt18.5(厚み)85(縦)85(横)が仕上がり寸法の為、
アルミ合金A2017のt20材を86×86で切断してもらい購入する。
弊社で購入している材料屋さんでは、表面にビニール貼材を納入して頂き、
色によりJIS規格記号が変わります。表面を傷からも守れるし、識別も間違いないです。
2.マシニング加工 表2工程
ビニールを剝がし、端面のバリを取りチャッキング
今回は4隅にM6及び座ぐりが有る為、同材質のアルミの板t1を下駄として履かせます。
バイスの高さ35に対し、幅34のt1を作成し、厚み1mmをチャッキングする。
この方法で加工すると、ねじや穴の位置、外周の平面度、直角度など全てがほぼ0になります。
3.マシニング加工 表3工程
端面をFMで荒加工する。
85幅を加工する為、径63のフェースミルを使用し、2回に分けて加工する。
4.マシニング加工 表4加工
ラフィングエンドミルによる85×85の4角をR15荒加工
ラフィングエンドミルも各社いろいろな、うたい文句で発売していますが、
超硬等の切削速度が速く、モリモリ加工できるエンドミルは、安い刃物では無いので、
お気に入りのメーカーを決め、基準となる1本を持つと良いと思います。
使いやすければ径を含め、長さ等のバリエーションが豊富になっていきます。
今回はR15の為、3mmづつ5回に分けて加工します。
最後の一周は85×85の部分も含め、荒加工します。仕上げ代0.2くらい付ける
ラフィングエンドミルは切子がボロボロになる為、荒加工に向きます。弊社のように小さな町工場では切子の保管場所を含め、最小にする事を考えます。
ちなみにこの時出る切子は
この様になりクーラント油で流れるため、切子処理が楽です。
5.マシニング加工 表5工程
センタードリルを使用し、M6P1のネジ及びΦ6ーΦ10.3座グリ深さ7の位置決め
位置決めをしておくと、ドリルが曲がって加工される可能性は少なくなり、ドリルの切削速度を早く出来ます。
6.マシニング加工 表6工程
M6P1メスネジの下穴ドリル加工
部品の仕上がりの厚みが18.5の為、本来はショートタイプのSGESSドリルを使用しますが、
切子が絡まると部品を傷つけてしまう為、
今回は少し長いNACHI社のSGESの5.1ミドルタイプを使用します。
さらに早く加工する場合は超硬ドリルが良いでしょう。
超硬ドリルは割高ですが、すべての材料を加工出来ます。(弊社で手に入れられる材料)
7.マシニング加工 表7工程
10.3ー6キリザグリ深さ7の加工の為、6の穴を開ける。
表6工程と同様にミドルサイズの6ドリルを使用します。
8.マシニング加工 表8工程
中心部分ドリル加工
φ35のテーパーシャンクドリルを使用し、中心部分の穴あけ
もう少し太いドリルも必要ですが、弊社にてドリルを研げる最大の大きさです。
9.マシニング加工 表面9工程
ラフィングエンドミルを使用し、中心部分のテーパー穴の荒加工
Φ60からφ51にテーパー加工をします。
ラフィングエンドミルで少しでも加工し、仕上げの刃物の負担を減らす為に荒加工します。
10.マシニング加工 表10工程
φ10.3の座ぐり部分のメス角部にR0.3の指示が入ってい要る為、
専用にエンドミルの角部がR0.3の刃物を購入し、使用します。
分かりずらいですが、エンドミルの刃先の角がR0.3になっています。
このRは必要なのかな?とか、分かるかな?とか思いますが、各会社様の仕様なので
刃物を購入し、加工します。
見積もり価格に反映出来れば良いのですが、なかなか厳しいです。
11.マシニング加工 表11工程
表面の端面仕上げ加工
仕上げ加工用のFMを使用し、端面を仕上げ加工する。
反りや、バリを除去する目的もあるため、仕上げ代は微妙です。
今回は0.05mmの仕上げ代を加工します。
12.マシニング加工 表面12工程
仕上げ用のエンドミルを使用し、外周を仕上げる。
仕上げの目的は、寸法を出し、表面精度を図面の要求通り満足させる。
仕上げ用のエンドミルも各社いろいろな特徴のエンドミルが有ります。
ご自身で展示会などに行き、見たエンドミルの会社様のカタログを眺めるだけでも視野が大きくなります。
知らなかった〇〇専用の刃物や、こんなスピードで加工できるの?等の発見も多いです。
でも一番早いのが、こんな加工したいんだけど、と工具屋さんに相談する事ですね。
13.マシニング加工 表13工程
面取りバイト、先端90°非鉄金属用を使用し、全ての面取りをする。
外周、内周、座ぐり、タップ部分を面取りする。
使用する刃物の中心径くらいでプログラムを作成し、1本で全ての箇所面取りします。
14.マシニング 表14工程
4-M6P1のメスネジタップ加工、非鉄金属用のM6タップを使用し、加工する。
15.マシニング 表15工程
専用の刃物を作成し、Φ60からΦ51にテーパー加工、角度としては17.354°です。
以上で表面は終了
16.マシニング 裏1工程
加工した表面を下面にチャッキング
注意点としては、切子などを挟み込んで曲がらないようにする。
締めすぎて、製品に占め跡が付かない様に、また締めが甘いと、刃物が当たった瞬間に製品は外れて飛びます。
微妙な力加減が要求されます。
17マシニング 裏2工程
長さ1mmをチャッキングして表面を加工した為その部分をラフィングエンドミルで除去
仕上がり寸法より0.5mm大きく加工
18マシニング 裏3工程
FM荒加する。幅17mmずつ5回に分けて加工
表面は刃物の筋が付きますが段差は無くこのまま仕上がりでも問題は有りませんが、
格好悪いため、仕上げ加工をします。
19マシニング 裏4工程
FM仕上げ用で端面仕上げ加工、この工程により表面、裏面ともに
見た目を含め同じ面祖度になります。恰好良い
20マシニング 裏5工程
ラフィングエンドミルを使用し、角部加工
図面を通りの角度と幅を切削します。
測定できない部分は気を使います。
21マシニング 裏6工程
裏5工程目の仕上げ加工
メス角にR1の指定が有る為
先端がR1のエンドミルを使用します。
側面を仕上げながら寸法を出します。このような特殊なエンドミルは
ほぼ専用になります。(10年ぶりで、担当が変わっていても保管が必要です)
22マシニング 裏7工程
面取り用の刃物を使用し、穴、外周面取り
刃物は90°の為、穴ならば深さを変える
外周ならばプログラムと深さを変えることで面取りの大きさを決める。
図面中に指示がある場合は注意が必要です。
以上でこの製品は完成です。
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