ステンレス マシニング加工 SUS304HOT材
ステンレス SUS304のHOT材を使用し、マシニング加工します。
仕上がり寸法、厚み8.5、幅23、長さ35で外周及び内周が長穴形状です。
NC旋盤加工とマシニング加工については、横浜市神奈川区にある東北製作所にご相談ください。
完成品
私たちの会社は、神奈川県横浜市にてNC旋盤やマシニングなどの機械を駆使し、切削部品の加工を行っております。
皆様のご要望にお応えできるよう、直接の加工依頼、見積もりや様々なご相談を承っております。
お問い合わせは、フォーム、電話、またはFAXでお気軽にどうぞ。
既製品では入手できないカスタムメイドな部品の加工も承っております。
SUS304の平角棒材はHOT材とCOLD材が有ります。
HOT材は熱間圧延品で、COLD材は冷間引き抜き品です。どちらの表面をお客様が望んでいるのか分からない為、弊社は基本的に6面加工します。
COLD、HOT材と微妙に規格品の寸法有り無しが有るため、確認が必要です。
SUS304は弊社でも、多く仕事の依頼が有りますが、なかなか加工は難しいです。
おまじないとして、新しい切削油をコップ一杯程度足すことで、切削性が上がった気になり、心にもゆとりが出ます。
今回の加工品を写真を使用し、順を追って説明します。
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ステンレスSUS304HOT材マシニング加工
表面1.材料購入
暑さ10×幅25の規格品を長さ36で切断し、納入して頂きます。
表面2.チャッキング
1.4mmをチャッキングできる下板をバイスに敷きチャッキングする。
表面3.端面加工
端面加工用の刃物で端面を加工する。
厚みの仕上がり寸法が8.5の為、バイスの端面から8.7上を加工する。
表面4.外周エンドミル荒加工
最終仕上がり寸法がR11.5の為、1.5mmづつ切削するようプログラムを作りエンドミル加工する。
仕上げ代0.2mmを付け左側もR11.5エンドミル加工
外周に1段段差を付ける、1.5mmの長さ1.5mm
表面5.センタ穴加工
内周部分のエンドミル加工の下穴として穴を開けるためのセンタ穴を加工
センター穴を加工すると次工程のドリルの振れ、位置違いを防ぎます。
表面6.ドリル加工
仕上がり寸法が幅12の長穴の為、11.5のドリルでエンドミル加工の為の下穴を加工する。
Z方向(深さ方向)に加工できるエンドミルも有りますが、刃物の欠損等心配事が多くなるため、弊社ではあまり使用しません。
表面7.内周エンドミル荒加工
幅17でR8.5の長穴内周加工、エンドミルはダウンカットを推奨するため、外周と内周では加工していく方向が変わります。
外周は時計回りに加工し、内周は反時計回りに加工します。
幅17R8.5長さ12深さ6部分と
幅12R6長さ12深さ8.7部分の内周加工
表面8.内周、外周面取り
面取り用刃物(先端90°)を使用し、面取り加工
エンドミル同様、外周は時計回り、内周は反時計回りに加工します。
面取りは架空の切削径でプログラムを作り、深さで調整する
表面9.内周、外周エンドミル仕上げ加工
仕上げ用のエンドミルを使用し、幅、長さ、深さ、表面精度を仕上げる。
以上で表面の加工は終了です。
裏面10.エンドミル荒加工
表面加工終了品をチャッキングし、裏面の加工をする。
表面は仕上がっているため、チャッキングには神経を使います。
加工品にゴミ(切子)が付いていない、バイスにゴミ(切子)が付いていない
変形及び表面に傷を付けないように締め付けすぎない、逆に加工時に外れない様締め付ける
考えられる不良に対し、神経を使います。
表面でチャッキングしていたチャッキング代を加工する。
いきなり端面加工用の刃物で加工しても良いのですが、何度か加工の力が強く外れた事が有るので余計な部分はエンドミルで加工します。
表面同様に何度かに分け加工します。
反対側も同様に加工します。
穴部分を除去し、幅12部分を完成させます。
裏面11.端面加工
端面加工用の刃物を使用し、端面を加工する。
この工程で厚み8.5と表面精度を仕上げる。
裏面12.面取り加工
面取り用の刃物を使用し、各角の面取りをする。
以上で裏面が終了
この製品の完成です。
皆様見積もりご相談お待ちしています。
ステンレス鋼1口メモ
・クロム、またはクロムとニッケルを含有する特殊鋼の1種で、クロムが11%以上含有する鉄鋼をステンレス鋼と呼びます。
ステンレス鋼の表面には、不動態被膜と呼ばれる、クロム酸化物からなる強固な酸化被膜が生成しているため、
ステンレス鋼は耐食性が優れています。
・そのため、ステンレス鋼は、その高い耐食性を活かして、ナイフやフォーク、スプーン、鍋、システムキッチン、公園の滑り台や列車の外装などなど多岐に使用されています。
ステンレス鋼は、JIS鋼材規格で3桁の数字で分類されます。
それぞれ金属組織の違いで、フェライト系、マルテンサイト系、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系が有ります。
・JIS鋼材規格では、ステンレス鋼として60種類が規定されています。それぞれに特徴があり、場面に応じて使用する素材を選択しています。
・フェライト系ステンレス鋼は、クロムを18%含有するSUS430が代表的なステンレス鋼で、冷間加工性も優れており、ニッケルを含有しない為、安価な事が特徴です。
その一方で、常温以下の温度で脆くなる低温脆性や、400~500°Cに加熱すると脆化する475°C脆性という課題も有ります。
・オーステナイト系ステンレス鋼は、クロム18%、ニッケル8%含有を基本とするSUS304が代表となるステンレス鋼で。18-8ステンレス等とも呼ばれる。
耐食性と加工性がフェライト系ステンレス鋼より優れています。環境によっては、粒界腐食や応力腐食割れ、孔食、すきま腐食などが発生する場合が有ります。
・オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼は、金属組織がオーステナイトとフェライトの混合組織となるようにクロムとニッケルの含有量を調整したステンレス鋼で、2相ステンレス鋼とも呼ばれています。オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼の課題である粒界腐食や応力腐食割れが改善されています。
★クロムが11%以上含有する鉄鋼
★200番系、300番系、400番系で分類
★孔食は酸化被膜に小さな穴が開くこと