ステン SUS NC旋盤+マシニング M12通りネジ加工
ステン SUS304Φ30ピーリング材を使用し、Φ20深さ13をNC旋盤加工後、
マシニングにて中心にM12P1.75の貫通ねじをタップ加工します。
NC旋盤加工とマシニング加工については、神奈川県横浜市にある東北製作所にご相談ください。
弊社は横浜市神奈川区でNC旋盤及びマシニング等の機械を使用し、精密部品の切削加工をしています。
直接の部品の加工依頼、お見積り、ご相談にも協力させていただきます。こんな事出来る?こんな値段で出来るにも挑戦します。
既製品では入手できないカスタムメイドな部品の加工も承っております。
お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
本来はCNC旋盤で加工した方が早く加工出来ますが、仕上げのベンチレースに仕事が詰まっていたため、表をNC旋盤で加工し、裏をマシニングで加工します。
材料屋さんでの切断材を購入した方が早く加工出来ますが、取り扱いや切断時のキズを考えると、社内のNC旋盤で加工後切断しました。
図面中は素材のままで良い記号が入っていますが、キズはNGの判断をされるとお客様と揉める結果になりますので、弊社では本来外径も加工します。
ただし、今回はお客様と打ち合わせの結果、キズもOKとの事なのでピーリング材を使用します。
写真を用いて、加工方法を含む工程を順番に説明いたします。
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NC旋盤加工
NC旋盤加工は写真が撮れなかった為、加工終了品です。
マシニング加工
1.チャッキング
Φ30の旋盤加工品がバイスでチャッキングできるように、治工具を加工し、チャッキングする。
素材寸法+0.02位で加工すると変形もなくしっかりとチャッキングできます。
今回使用する素材がピーリング材の為、材料ロット毎に寸法が違う為、プログラムは保存して、工具の補正で寸法を出します。
深くチャッキングできるような治工具を加工すれば安心できますが、治工具作りが大変になる為、深さは経験で大体の深さで加工します。
2.センター穴加工
センター穴加工用の刃物を使用し、NC旋盤加工時に出来た3mmの突起部分(ダボ)を含め、センター穴を加工する。
ドリルが芯を食い、寸法や曲がりを防ぐ。ダボ取りも含めるため、絶対にセンター加工は省略できません
3.ドリル加工(10.4)
M12P1.75ネジ加工の為の下穴を加工する。
ほぼほぼ同じ寸法になると思いますが今回はM12のピッチ1.75の為、12-1.75=10.25となり、本来は10.25のドリルを使用しますが、カタログにも有りますが、下穴の公差も有り10.4のドリルで下穴を加工します。
加工した穴を測定した結果10.38でした。ドリルが正確に研げ、さらに芯を食った加工が出来た証拠だと思います。
ドリルの両溝から良い切子が出ました。このような切子が出ると、ドリルが長持ちします。
ドリルを研ぐことをめんどうくさがって適当に研ぐと、芯が出ず片側のみ切子が出て、寸法も大きくなってしまいます。
4.面取り加工
面取り加工用の刃物を使用し、M12の入口の面取りをする。
12よりは若干大きめに面取りをする。
面取りの大きさは、加工する刃物の径及び加工深さ及びプログラムにより決まります。
良い条件が出るとついつい同じ位置での加工になり、その部分のみ刃物が痛み始めると
慌てて他の位置での加工を模索します。
5.M12P1.75タップ加工
今回は貫通ねじ加工の為、ポイントタップを使用します。切子が奥に排出されるため貫通ねじを加工する際はポイントタップが良いです。
ねじはメスネジを加工する時はプラグゲージ(オスネジ型)のゲージで入り、止まりの検査をします。
今回は市販のボルトが入れば良いとの事なので、ボルトで検査しました。
以上でこの製品は完成です。皆様お見積り、ご相談お待ちしています。
タップ1口メモ(選定方法と、切削条件)
今回はYAMAWA様のポイントタップを使用しましたが、選定方法と切削条件について記します。
YAMAWA様のホームページ及びカタログ等を確認すれば細かく記されていますのでそちらもご覧ください。
まず、通り穴(貫通)の部分にねじを加工するため、ポイントタップを使用します。
素材がSUS304の為、ステンレス用のSU+PO/SU-POタップのM12P1.75を使用します。
弊社ではいろいろな素材の加工をしますが、タップは鋼用、ステンレス用、非鉄金属用と揃えるようにしています。
タッピング速度はカタログ表示がVc=~10(m/min)の為、7m/minとします。
ここで気を付けないといけないのが、把握条件です。加工品をしっかりチャッキング出来るか?と言うことです。
しっかり把握できない場合は切削条件を下げて、様子を見ながら上げていきます。
非常に胃が痛くなる瞬間です。把握力が弱く加工品が回ってしますと折角大切に使用してきたタップが折れてしまいます。
また、使用している機械の条件も確認が必要です。
カタログがm/minなのに使用する機械の単位がmm/nimだったりしますので確認が必要です。
ここから切削条件の計算を始めます。
まずは回転数をもとめます n=(1000×Vc)/(パイ×Dc)単位は(min⁻1)の式に各数値を当てはめます。
n=回転数(min⁻1)
Vc=タッピング速度(m/min)→カタログ等より抜粋
パイ=3.14
Dcタップの外径(mm)→12
n=(1000×7)÷(3.14×12)=7000÷37.68≒185.77となり
回転数nは180~190(min⁻1)になります。
次に送り速度をもとめます Vf=n×f(mm/min)の式に当てはめます。
Vf=主軸の送り速度(mm/min)
n=タップの回転数(min⁻1)
f=タップの送り量(mm)=使用するタップのピッチ
Vf=180×1.75=315(mm/min)となります。
単純に先に求めた回転数×使用するタップのピッチで良いと思います。
まずは自分の使用する機械の単位を確認し、いろいろ有る単位をそろえ、出来れば必要な計算式などは
エクセル等で数値を入れれば答えが出るマクロを組んでおくととても便利です。
また、弊社のように古い機械を使用していると小数点以下の制御が出来ているのか不明の為、
ジャストの条件にすると良いと思います。
よって今回のタップ選定方法は
YAMAWA様のポイントタップ、ステンレス用のSU+PO/SU-POタップのM12P1.75を使用し
回転数180(min⁻1)、送り速度315(mm/min)で加工します。
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