快削リン青銅(C5441) NC旋盤+マシニング切削加工
Φ40の快削リン青銅のバー材を使用し、NC旋盤加工後マシニングにて切削加工します。
形状は外径40、長さ22、幅26Hカット、4-M4、中心にM14P1のめすねじを加工します。
NC旋盤加工とマシニング加工は、横浜市神奈川区にある東北製作所にご相談ください。
当社は横浜市神奈川区でNC旋盤やマシニングなどの機械を活用し、切削部品の加工を行っています。
多様な業種との連携が可能ですので、直接の加工依頼、見積もりやご相談にも柔軟に対応いたします。
既製品では入手できないカスタムメイドな部品の加工も承っております。
最近で多い相談が、今まで付き合いのあった工場が閉鎖してしまい困っているという相談が多いです。
値段や納期等も頑張りますので
お問い合わせはお気軽に、フォーム、電話、またはFAXでお気軽にどうぞ。
お見積りやご相談お待ちしております。
写真を使用し、加工工程を順を追って説明します。
NC旋盤加工
1.チャッキング
加工に必要な長さを出し、チャッキングする。
2.外径及び端面荒加工
今回は40の材料を使用し、40の0~ー0.5の為、芯ぶれに特に気を使いました。
材料の値段が上がっているため、少しでも材料費を抑えるのは当たり前です。
3.センター穴加工
センター穴加工用の刃物を使用し、センター穴加工
このドリルで取っ掛かりを付ける事により、ドリルの穴あけ位置や、曲がりを防ぎ、寸法も出ます。
4.ドリル穴加工
今回はM14P1.0のねじを加工するため、13の仕上がり穴を加工します。
よって、ドリルは12.5を使用し、穴あけ加工します。
切子も良好に出ます。
切子が絡むとその切子で加工品を傷つけてしますため、これも条件出しが重要です。
5.内径荒加工
内径加工用の刃物を使用し、内径を荒加工する
12.5のドリルを使用しているため、片肉0.1程度の加工ですが、端面とねじ部分が直角度0.01の為、
丁寧な仕事をします。
荒加工無しの、仕上げ加工でも対応出来ますが、今回は丁寧に仕事します。
6.内径仕上げ加工
内径仕上げ加工用の刃物を使用し、内径を仕上げる
直角度と表面精度を注意し、ドリル穴の残り、等最大限の注意を払います。
7.端面及び外径仕上げ加工
仕上げ用の刃物を使用し、端面及び外径の寸法及び、面精度を仕上げる
8.突っ切り加工
突っ切り用の刃物を使用し、チャック側の面取り後突っ切る。
チャック側の面取りをすることにより、次加工時1工程少なくなります。
チャック側には仕上げ代+0.2が付いているため、すべてを計算した上で面取りの大きさを決める。
以上でNC旋盤加工は終了です。
マシニング加工
9.チャッキング
専用のチャックを加工し、チャッキングする。
本当は、加工品と同じ材料を使用し、チャックを加工すれば掃除の時間は省かれますが、
リン青銅の板を見積もりしたところ、驚きの値段だったので鉄のチャックを加工しました。
鉄板の購入も、今回は幅26のHカットと、端面を加工するため、干渉しないようなサイズを注文します。
10.幅26Hカット荒加工
非鉄金属加工用のラフィングエンドミルを使用し、Hカット部分を荒加工する
ラフィングエンドミルを使用すると、切子が粉々になる為、切子の保管に有利になります。
そのため、弊社では出来るだけ荒加工と仕上げ加工を分けます。
工場が狭いため、切子の保管場所に苦労します。
先ずは片側から1mmづつ計6.8mm加工します。
この状態はDカットと呼ばれます→アルファベットのDの形状に似ているために呼ばれていると思われます。
反対側も加工し、Hカットの荒加工は完成です。この状態で片側+0.2の仕上げ代を付けています。
この状態はHカットと呼ばれます→アルファベットのHの形状に似ているために呼ばれていると思われます。
11.端面仕上げ加工
端面仕上げ加工用の刃物を使用し、端面の寸法と表面精度を仕上げる
チップを非鉄金属用に変更することにより、リン青銅の仕上げ加工用に変更できます。
1回で条件が出れば良いですが、切削スピードを上げると見た目はきれいに見えますが、
実は表面粗さは荒くなる、難しい条件出しになります。
12.Hカット部分と中心M14×1.0の為の面取り
先端90°の面取り用の刃物を使用し、各箇所面を取る
面取りの大きさは刃物の加工位置と刃物の深さで決まります。
例えばHカットの左側の端面の位置から2mmさらに左の部分を、深さ2.1mmで加工すると0.1mmの面取りが出来るイメージです。
左に1.9mm、深さ2mmで加工するのと同じです。
普段よく使用する刃物ですと、欠けてはいないものの切れ味が悪くなってバリが返る時が有ります。
その部分をずらしてきれいな面取りになる、径と深さを探します。
13.Hカット部分の仕上げ加工
仕上げ加工用のエンドミルを使用し、Hカット部分の面を仕上げ加工する。
幅は26で一般公差ですが、次工程の事を考慮し、幅の公差±0.01位を目標に仕上げ加工する。
14.バイスチャッキング
今回は端面と中心のM14×1.0のネジ加工が直角度0.01の為、NC旋盤加工面を表にして加工する。
見た目は表裏ともに同じ形状ですが、NC旋盤加工面からの方がワンチャックで加工したため直角度が出ていると思いこの様な工程にしました。
15.センター穴加工
センター穴加工用の刃物を使用し、4-M4の位置にセンター穴加工をする。
センター穴加工をすることにより、穴の位置及びドリルの振れが無くなり、制度の良い穴加工が出来ます。
今回はローレットタップ(盛り上げタップ)を使用する為、制度の良い下穴が求められます。
16.M4下穴加工
今回はM4P0.7のねじ加工の為、YAMAWA様のロールタップを使用します。
ロールタップは盛り上げタップとも呼ばれ最大の特徴としては、ねじ加工の際に切子が出ないことです。
ただし、下穴の寸法はシビヤに管理が必要です。
ドリルは3.65を使用します。
17.M4及びHカット部分の面取り加工
先端90°の面取り用の刃物を使用し、M4入り口部分の面取り及びHカット部分の面取りをする
Hカット部分の面取りは裏面と同様のプログラムを使用することにより、同じ面取りが出来ます。
18.4-M4タップ加工
YAMAWA様のロールタップを使用し4-M4タップ加工をします。
ロールタップは切子が出ないため、絡まり加工品を傷つける心配が有りません
19.中心M14×1.0タップ加工
M14×1.0のタップを使用し、中心にねじ加工する
合わせのゲージが無いため、不完全ネジ部4ピッチ=長さ4mm
約6mm深くねじ加工する。
ポイントタップを使用する為、切子はタップの進行方向に対して奥にでます。
以上でこの製品の加工は終了です。
リン青銅は、Cu-Sn-P系の合金でSnの含有量により種々の特性が生まれます。
強靭な上に耐食性、耐摩耗性、はんだ付け性に優れ広範囲の用途に適しております。
Pbを添加し切削性を向上させたものが快削リン青銅C5441です。
RoHS規制対応品(Pb4%未満)となっております。
別のリン青銅の切削加工