C3604 真鍮平角棒 マシニング加工 8-10-20 2-M3 M5
C3604 真鍮平角棒をマシニング加工します
寸法規格8-10を21で切断後、支給して頂きます
21部分を20に加工し、2か所M3、1か所M5をタップ加工します
NC旋盤加工とマシニング加工については、横浜市神奈川区にある東北製作所にご相談ください
弊社は横浜市神奈川区でNC旋盤及びマシニングを軸に部品の切削加工をしています
外注加工先でお悩みでしたら、ぜひご相談いただければと思います
既製品では入手できないカスタムメイドな部品の加工も承っております
図面をFAXもしくは、メールで頂ければ、直接の部品加工依頼、見積もり、ご相談に対応します
お気軽にご相談ください
C3604 真鍮 マシニング加工
1工程・・面取り
サンドペーパーを使用し、支給材の面取り
平角棒の場合、片側4か所、両側で8か所の角部が有る為、機械的に面を取るか刃物で取るかに悩みます
今までは刃物で面取りをしていましたが、価格が合わなくなって来たため、サンドペーパーで面取りをしてみました
思ったよりうまく出来たため、良かったです
2工程・・チャッキング
値下げ要求と原材料の値上げのため、加工費がドンドン削られ、単価が合わなくなってきたため、
本来はバイス1個に対し、1個の加工品で加工していましたが、2個加工する方法を考え、実践します。
3工程・・M3タップ部分の面取り
先端90°の面取り用の刃物を使用し、M3部分の面を取る。
刃物の先端部分がダブルポイントと言って135°の切れ刃になっているので
先端部分から90°の刃物より切れます。
面取りの径が、3.4くらいになるように刃物を入れます(深さ)
4工程・・ドリル加工(2.6mm)
M3のめすねじをタップ加工するため、下穴を開ける
加工するめすねじが3mmでピッチが0.5計算方法としては
3-0.5+0.1=2.6となります。
本来は2.5の穴で良いのですが、ドリルの芯が出て条件が良いとピッタリの穴が開き、
検査の厳しい会社様ではNG判定を出される場合が有る為、+0.1のドリルを使用し、穴を開けます。
JIS規格でも本当はNGです。
5工程・・M3タップ(めすねじ加工)
貫通のねじの為、ポイントタップを使用します。
ポイントタップは切子が奥に行くため、貫通ねじでは有効なタップです。
6工程・・エンドミル加工(全長決め)
エンドミルを使用し、全長20の長さを加工する。
切断を材料屋さんに注文すると、大体+1mmで納入されるため、本当は長さ19で注文すれば20で出来るような気がしますが、怖くてできません
この工程で表面は完成です。
7工程・・M3裏面の面取り
面取り用の刃物を使用し、M3の裏面を面取りする。
表面では2個並べて加工しましたが、材料の寸法のバラツキも少なく裏面は面取りのみなので、3個並べて加工します。
この工程で裏面は完成です。
8工程・・センター穴加工
センター穴加工用の刃物を使用し、センター穴加工をする。
ドリルの位置や振れを防ぎ穴の芯を出すために加工する。
9工程・・ドリル加工(5.4)
5.4のドリルを使用し、深さ5mmの穴を加工する。
図面中に記載されているため、加工しますが、その奥にM5のめすねじを加工するため、何の為の穴かな?と考えさせられます。
10工程・・ドリル加工(M5下穴4.3)
4.3のドリルを使用し、M5下穴の加工をする。
M3の下穴の工程で説明しましたが、
M5ピッチ0.8の為、
5-0.8+0.1=4.3で4.3のドリルを使用します。
あくまでも今回のねじ加工の為の計算式であり、要求されるネジの等級及び使用するメーカーの推奨を参考にしてください。
11工程・・面取り加工(5.4部分)
先端90°の面取り用の刃物を使用し、5.4の穴の面取りをする。
加工した部分は必ずと言って良いほど面取り工程が存在します。
各メーカーでも面取り用の刃物が存在し、良いと思ったメーカーを使用しサイズバリエーションを整えましょう。
12工程・・M5タップ加工
M5のポイントタップを使用し、M5めすねじを加工する。
以上でこの製品は完成です。
問い合わせ、ご相談お待ちしています。
C3604真鍮1口メモ
C3604は、切削性に優れる黄銅(真鍮)材料で、別名「快削黄銅」とも呼ばれています。以下にC3604の特徴と用途をまとめてみましょう。
1用途
・C3604は鉛を1.8~3.7wt%含有しており、小物部品全般に使用されます。
・特に水を使うバブルや継手などで多用されています。
・塑性加工の限界は低いため、鍛造や加締め加工には向きません。
2強度
・C3604は銅ー亜鉛系合金で、適度な強度を持っています。
3耐熱性
・最低使用温度は⁻196℃であり許容引張応力は+200℃までの値が記載されています。
・使用温度範囲は⁻196℃~200℃と考えていいでしょう。
4耐食性
・C3604は銅ー亜鉛系の合金で、引張応力下で腐食環境に晒されると応力腐食割れ(時期割れ)のリスクがあります。
・ろう付けなどで急冷すると残留応力が残りやすいため、問題となる場合は200~240℃程度で応力除去することが推奨されています。
5他の材料との使い分け
・カシメ性を良くしたい場合:C3602、C3771
・カドミレス(RoHS対応)材にしたい場合:C3604CdL
・鉛レス化したい場合:鉛レス材(C6801、C6802など)
C3604は切削加工で使用される材料として優れていますが、今後は非鉛黄銅材に移行する可能性もあるため、新規の部品であれば非鉛黄銅材の適用も考慮するべきです。
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