C5191B(りん青銅)バー材 NC旋盤+マシニングで切削加工します
C5191 リン青銅の丸棒を使用し、NC旋盤加工+マシニング加工+ベンチレースにて、切削加工します
NC旋盤加工とマシニング加工は、横浜市にある東北製作所にご相談ください
私たちの会社は、神奈川県横浜市にてNC旋盤やマシニングなどの機械を駆使し、切削部品の加工を行っています
多岐にわたる業種との連携がありますので、直接の加工依頼、見積もりやご相談にも積極的に対応させていただきます
外注加工先でお悩みでしたら、ぜひご相談いただければと思います
お問い合わせは、フォーム、電話、またはFAXでお気軽にどうぞ
C5191、りん青銅は「ばね材」に適した材料ですが、特に高性能のばね性が必要な場合はC5210「ばね用りん青銅」を用いたほうがよいとの記述が規格にもあります
りん青銅とは、銅にすずと少量のりんを加えた合金で、すずの多少により、1種〜3種まで有ります
機械的な強さが大きく耐食性大、磁性無く、スイッチ、コネクター、軸受け等に使用されます
ばね用リン青銅は展延性・耐疲労性・耐食性が良く、特に低温焼きなましを実施してあるので高性能バネ材に適する
ただし、棒材の場合は快削材が存在しますので注意が必要です。使用方法による
快削リン青銅丸棒は鉛を加えているため、切削性、耐疲労性が良好です
今回の加工品について、写真を用いて工程を順番に説明します
C5191 NC旋盤加工+マシニング加工
NC旋盤加工
NC旋盤1工程目(外径、端面粗挽き加工)
必要な長さでチャッキング
拡大
荒挽き用刃物
ワーク(加工物)の近くに刃物を寄せる
加工後
・ワークを回転させながら刃物を下に下げる。
・外径は素材Φ30から太い部分Φ26.2、細い部分Φ13.2まで削る。
1回で一気に削れない為、4回に分けて肩肉1.5mm径で3mm削る
回数を分ける意味は、刃物の長さと切削時のパワーから、だいたいこれくらい削る。
NC旋盤2工程目(中心センターリング加工)
製品の中心にM8×P0.75のタップを立てる為、ドリルが曲がらない為に
ドリルの加工基準としてセンター穴を加工する。
←加工後、中心にM8×P0.75用の穴を開けるため
←拡大
NC旋盤3工程目(下穴ドリル加工)
M8×P0.75用下穴加工、
Φ7のドリルを使用します。本来は7.3のドリルで良いのですが、
ドリルが曲がって加工した場合でも、内径を仕上げれば問題がなくなります。
タップ工程がマシニングの為、芯(加工の中心)を出すため内径を仕上げます。
NC旋盤4工程目(内径仕上げ加工)
M8×P0.75用の下穴を寸法に仕上げます。
ネジのサイズと下穴の関係は、
ネジサイズM8=8mm ネジピッチ0.75=0.75mm
8-0.75=7.25
下穴7.25mmとなります。
ネジ用に入口の面取りも行います。
分かりにくいですが径でΦ8.2くらいの面取りがされています。
M8のネジに0.1くらい大きな面取りとなります。
NC旋盤5工程目(外径幅1mm溝加工)
部品の相手と組み合わせた場合、刃物はどうしても、先端ノーズR(刃先の丸み)
が付いてしまうため、根元部分を逃がします。
そのための溝だと判断しますが、加工者としては図面に忠実に加工します。
NC旋盤6工程目(外径、端面仕上げ加工)
最大外径はΦ26で小径はΦ13g6(-0.006〜―0.017)で仕上げます。
g6とは、はめ合い公差でJISで規格が決まっています。
g6・・・ローマ字の小文字で表されるのは、はめ合いに使用する軸の公差
G6・・・ローマ字の大文字で表されるのは、はめ合いに使用する穴の公差
丁寧で有難い図面は公差まで記入されていますが、13g6と書かれている場合は
加工者がJISの本を見て、規格を探し、寸法をメモに記入しプログラムを作成する。
図面に寸法公差まで記入して頂けるととても有り難いです。
NC旋盤6工程目(突っ切り加工)
NC旋盤で加工できる範囲を加工したら、突っ切ります。
今回は中心部分にΦ7.3の穴が開いている為、そこまで刃物を入れれば製品は突っ切れます。
NC旋盤7工程目(引き出し)
1.チャックを開く
2.材料を引っ張る(必要寸法)
3.チャックを閉じる
以上でNC旋盤加工は終了です。
1工程目にプログラムは戻り、2個目の加工に入ります。
ベンチレース加工
ベンチレース加工は刃物を手で研ぎ、回転に合わせて手の力を加減し、表面精度を出します。
まさに熟練の加工技術です。
マシニング加工
マシニング1工程目(チャッキング)
ベンチレースのコレットチャックを使用し、チャッキングする。
マシニング2工程目(エンドミル加工)
本来リン青銅は非鉄金属の為、あまり刃物は痛まなく切削しやすい材料のイメージが有りますが、
実際切削すると刃物は痛み、量産に向かない、なかなか難儀な材料です。
Φ26部分を幅17でHカットします。
刃物はステンレス用の刃物を使用します。素材は超硬+コーティングのエンドミルです。
チャッキングを強くするとチャッキング部分の傷、変形が懸念されるため
程よくチャッキングします。
そのため、あまり切り込み量と送りはかけられません→早く加工出来ない。
マシニング3工程目(センター加工)
4か所にΦ3.4の穴を開ける為、取っ掛かり用のセンター加工をします。
センター加工をすると、ドリルの取っ掛かりが出来、位置及び、寸法が安定します。
マシニング4工程目(ドリル加工)
図面要求が4-Φ3.4の為、Φ3.4のドリルを使用します。
使用するドリルは、NACHI(不二越)製のSGESSシリーズを使用します。
マシニング5工程(穴面取り加工)
Φ3.4の穴の面取りをします。
マシニング6工程(Hカット部分の面取り加工)
Hカット→幅17のエンドミル加工をした部分の面取り加工をします。
ノガ・ジャパン様の裏座ぐりミニチャンファー90°刃を使用し、
表と裏を1本の刃物で面取りします。
マシニング7工程(中心部分のM8×P0.75タップ加工)
中心部分のM8*0.75のタップ加工をします。
細目ネジの為、タップの種類が限られます。
マシニング8工程(裏面のΦ3.4穴の面取り)
Φ3.4の穴の面取りをします。
以上でこの製品は完成です。
別のリン青銅の切削加工製品