SUS304 ステンレス CNC旋盤加工 4-Φ5.5横穴
SUS304 ステンレス丸棒のバー材(1m)を使用し、CNC旋盤加工します。
仕上がり寸法は、外径Φ20、内径Φ10公差0~+0.1、長さ29、外周4か所Φ5.5の穴を加工します。
完成品
CNC旋盤はバー材使用になっていますので、お安く加工が出来ます。安いと言うと雑なイメージが有りますが、1m材をそのまま加工に入れますので、早く出来るため、単価が安くなるということです。また、反対の端面の仕上げもベンチレースがあるため、これも他社様より安く出来る要因となります。
CNCとは、NC旋盤に回転工具が付き、その回転工具で加工する事を弊社ではCNC旋盤加工と表現します。
SUS304を加工する際一番気を使うのは切子処理です。切子がつながり刃物に巻き付き切削油が届かない、巻き付いた切子が加工品に傷を付けるなど様々な不具合の一因となるからです。
弊社は横浜市でNC旋盤及びマシニング等の機械を使用し、切削加工業者をしています。いろいろな業種との繋がりもございますので、お見積り、ご相談にも協力させていただきます。
お問い合わせフォームもしくは電話、FAXでお気軽にご相談ください。
今回の加工品を写真を使用し、順を追って工程を説明します。
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CNC旋盤加工
1.材料チャッキング
弊社のCNC旋盤はバー材仕様の為、チャックの奥が中空になっており、各サイズに合わせたスリーブを入れる事により加工を始める。
最大把握出来るサイズとしては、Φ70までバー材での加工が出来ます。材質によっては素材寸法がプラスになっており入らない材質も有ります。
バー材を使用しなければ、切断材(材料屋さんで切断)を使用し、手で持てるくらいの重さまで加工できます。
2.外径及び端面荒加工
荒加工用の刃物を使用し、外径と端面を荒加工する。
表面と裏面の外周の角がR1の為プログラムでR1を加工する。
最後の工程で、爪で挟んで材料を引っ張る為、傷がつくので外径も仕上げます。
今回は側面の回転工具を使用するため長く材料を出さないといけません→側面の回転工具とチャックが干渉しないようにする
3.端面センター穴加工
端面にドリルが中心に加工できるよう取っ掛かりとしてセンター穴を加工する。
この加工をすることにより中心にドリルが入りやすくなる。
4.ドリル加工
内径の仕上がりがΦ10公差0~+0.1の為、ドリルは9.5を使用します。
ドリルが振れたり、斜めに加工したりすると内径が仕上がりませんので、気を使うドリル加工となります。
5.内径荒加工
内径用の刃物を使用し、内径の荒加工をする。面取りをして、仕上げ代0.15を付け荒加工します。
内径用の刃物は各サイズ(細い~太い)が有りますが、10以下の加工は神経を使います。
刃物が細いため、切子が絡まったり、切削油が届かなかったりすると、刃物が折れる可能性が有る為神経を使います。
6.外周センター穴加工
外周に4か所穴を開けるため、センター穴加工をする。
外周は丸いため、ドリルが逃げやすく不具合の要因になります。そのため、推奨より少し大きめのセンター穴を加工します。
7.外周ドリル穴あけ加工
外周に4か所5.5の穴を加工します。
外周に穴を加工する際の注意点としては、ドリルが逃げて寸法が出ない等の不具合が生じやすいです。センター穴加工と切削速度の兼ね合いで上手く加工します。
8.外径及び端面仕上げ加工
仕上げ用の刃物で、外径と端面を仕上げ加工する。
外径は仕上がり寸法のΦ20に、端面は反対側の端面の仕上げ代を加味して仕上がり長さ29に対し、+0.2mm長く加工します。
9.内径仕上げ加工
前の工程の外周穴のバリ取りを含め、内径を仕上げ加工する。
公差が0~+0.1入っているのと、外周穴のバリ取りを含め、断続加工になる為刃物のもちや欠けに気を使う工程です。
10.突っ切り加工
突っ切り用の刃物を使用し、加工品を突っ切る。溝加工の延長で加工品が落下するまで溝を入れる事です。
表面が外周の加工時R1を加工しましたが、突っ切りの際にも裏面にR1を加工しておく
この工程で裏面の角R1を加工しておくと、次工程で大変助かります。
パーツキャッチャーを開き、そのまま加工品が落下するまで溝を入れる。
11.引張
この工程で便利ではありますが、外周に傷がつくため、弊社では外径は加工する工程になります。
写真の動きとしては
爪が材料を挟む→チャックを開ける→必要長さまで引っ張る→チャックを閉じる→逃げる→プログラムが最初に戻り1工程目から加工が始まるです。
以上でCNC旋盤加工は終了です。
ベンチレース加工
ベンチレースのΦ20用のチャックを使用し、チャッキング、端面加工用の刃物を取り付け調整し、全長を仕上げる。
内径面取り用の刃物を使用し、内径の面取りをする。
以上でこの部品は完成です。