A5056(アルミ)バー材をNC旋盤加工+ベンチレース加工+MC加工します。
A5056のNC旋盤加工+マシニング加工+ベンチレース加工
A5056、Φ55×1000Lの素材を使用し、
1.ターニングセンターで1次加工、
2.ベンチレースで仕上げ加工、
3.マシニングでエンドミル加工、タップ及び穴加工の順番になります。
アルミの材料は大まかに板材と丸棒材に分かれます。
A5056Bはマグネシウムを加えているため、耐食性に優れ、切削加工により
表面仕上がり、陽極酸化処理性と、その染色性が良いので、多方面に応用される。
1,NC旋盤
1工程、端面及び外径荒挽き加工
端面と、外径を粗挽き工具にて加工する。(仕上げ代を残す)
2工程、中心穴あけ用のセンターリング加工
センターリング加工
センターリング加工は、もみ付け、センター加工等様々な呼び方が有りますが、
次工程のドリル加工の案内(ドリルの位置決め)の為の工程です。
3工程、ドリル穴あけ加工
ドリル加工
今回は仕上がりがΦ22.4の為Φ20のドリルを使用します。
弊社で各サイズがそろっているテーパーシャンクドリルを使用します。ごくごく平凡で一般的なドリルです。
4工程、内径荒加工
内径粗挽き 内径加工は外径加工と違い、切粉のつながりを気にして切削条件を決めます。切粉が長くつながり、内径バイトにからまると、スリキズさらには巻き付いた切粉で削れてしまいます。
切り込み量、切削速度を最適にし、切粉が絡まないようにします。特にアルミニウムのA5000径は切子がつながり、絡みやすいです。
5工程、外形及び端面の仕上げ加工
外径、端面仕上げ加工(非鉄金属用チップ使用)
外形と端面は同じ刃物を使用するためほぼ同一工程になります。
写真では分かりにくいが、寸法及び表面精度(表面粗さ)が向上し、図面寸法を出します。。
6工程、突っ切り加工
外径溝加工 溝バイトを使用し、製品を突っ切り落とします。
裏面を次工程で仕上げるため、0.2mm程度仕上げ代を付けます。
7工程、専用の工具で素材をつかみ、引っ張ります。
素材を挟み込み、既定の寸法まで引っ張る
素材のそばまで近づける
以上でNC旋盤の工程は終了です。このままプログラムが1工程目に戻り2個目の加工入ります。
2.マシニング加工
1工程、チャッキング
NC旋盤加工及びベンチレースでの仕上げ加工終了後、ベンチレースでのブランクチャックを利用し、
マシニング加工を始めます。
単純にチャッキングといっても、把握の仕方によってキズ、変形の原因になる為
各工場で気を遣う分野です。
2工程、荒加工
ラフィングエンドミルを使用し、幅34の荒加工
ラフィングエンドミルはエンドミルの一種で、切粉を小さく分断しながら切削を行う工具です。側面の切れ刃に凸凹が有り、フラットエンドミルより切り込みを大きく取れ主に荒加工用に使用します。
端面は綺麗ですが、側面はラフィングエンドミルの凸凹がそのまま残る
3工程、仕上げ加工
仕上げ用のエンドミルを使用し、幅34の仕上げ加工
仕上げ用のエンドミルは、一般的な非鉄金属用の超硬エンドミルを使用します。
端面も側面もきれいに仕上がり、図面寸法も出します。
4工程、センター加工
センターリング及び面取り
工具はいわたツール様のSPセンター(外径6)を使用します。
5工程、外周面取り
∮52部分の面取り
工具はいわたツール様のSPセンター(外径3)を使用します。加工形状によりどうしても刃物が入りきらない形状が有り、その形状の1つです。エンドミルの側面が有り、外径部分の角まで刃物が入りません。
出来る限り刃物を入れ、残りの部分はヤスリにて仕上げます。
←上記刃物6の工具より細いため側面のギリギリまで刃物が入れられます。
←加工後拡大
6工程、ネスネジ用 下穴加工
2-M4メスネジ下穴加工(2-とは2か所という意味です)、M4×P0.7の下穴はΦ3.3のドリルを使用します。
7工程、ドリル穴あけ加工
2-Φ5穴あけ加工、Φ5のドリルを使用します。
Φ5の穴を2か所開ける場合、同じ表現としてキリと表示する場合が有ります。
例:2-5キリ
8工程、穴あけ加工部分の面取り加工
穴面取り加工
Φ5の穴加工後のバリの除去、M4タップの為の面取り
以上でマシニング加工の表面の加工は終了です。
9工程、裏面の面取り加工
裏面面取り加工
裏面は幅34のHカット部分をバイスで固定し、各穴の(Φ5、M4)面取りをします。
10工程、M4タップ加工
M4タップを使用し、加工します。
今回は貫通のメスネジ加工のため、ポイントタップ(先端方向に切子が出る)
を使用します。
今回はYAMAWA様の非鉄金属用のポイントタップを使用します。
(ポインタップは奥に切粉が進むため、貫通穴に適しています。)
以上で製品完成です。
見積もり、ご相談お待ちしております。