A2017 マシニング加工 28.2×32.8×34.1
A2017をマシニング加工します。
A2017は切削加工性、強度に優れたアルミ合金です。
ジュラルミンの名称でも知られています。
Cu(銅)を含むアルミは耐食性は良くないが、強度が高い。
A2017は、鋼材に匹敵する強度を持っていますが、耐食性、溶接性は劣ります。
しかし、切削性は良好です。
表面1.材料注文
仕上がり寸法が、28.2×32.8×34.1の為、t30の材料を34×35で切断して材料を注文する。
各材料屋さんによって、+1mmや+1.5mmで納入していただけるので仕上がりを考慮して注文します。
この材料屋さんはキズ防止の為、ビニールシートを接着したまま納入していただけます。
アルミの種類によって、ビニールの色が変わります。
表面2.材料チャッキング
最終的な仕上がりを考慮してバイスに板をかませ、材料をチャッキングする。
表面3.端面荒引き
フェイスミル(FM)を使用し、端面を荒引する。
荒引工程は、削る量は多いが、面祖度は荒い。
図面では表面仕上げ▽等で指示されます。
表面4.ドリルによる荒取り
NACHI社製のアクアドリルEXフラットを使用し、エンドミルでの切削部分の荒取りをする。
エンドミルでも出来ますが、荒取りした方が早かったです。
表面5.ラフィングエンドミル荒引
ラフィングエンドミルを使用し、コの字部分と外周を荒引
ラフィングエンドミルは切込み量が多く削れ、切子が細かくなる為、量産のアルミ加工にはもってこいです。
ラフィングエンドミルの切子
表面6.エンドミル仕上げ
仕上げ用のエンドミルを使用し、コの字と外周を図面寸法に仕上げる
長さが足りないため、コの字部分は半分仕上げる
寸法と面精度を仕上げる
エンドミル仕上げの切子
表面7.センタードリル
穴あけの位置を決めるためにセンターリング
切削性の良いアルミの為、通常はいきなりドリル加工を実施しますが、
穴が深く、仕上がり交差が厳しいためセンターリングを実施する。
表面8.Φ4.9ドリル
この穴の部分にΦ5H7のピンが入る為、
1サイズ下のドリルで穴をあけます
表面9.面取り
先端90°の面取り用刃物を使用し、穴及び外周C1面取り
表面10.リーマ加工
Φ5+0.01のリーマ加工
以上で表面の完成
裏面1.端面荒引
裏面は2個取付加工
裏面2.エンドミル仕上げ
表面で半分仕上げた反対側を仕上げ
裏面3.面取り
以上で裏面の完成
側面1.エンドミル
M3キャップスクリューの頭部分を沈める為の加工
かっこよく角部R1の雌角R1など、凝った設計をしましたが、
値段が一番安く加工できる形状に変更していただきました。
キャップの頭が出なければ良い
皆様も恰好をつけると値段は高くなりますよ
側面2.センターリング
M3部分とシャフトが入る穴部分にセンターリング
側面3.Φ5ドリル
削らない部分を含め仕上がりがΦ5+0.01の為、超硬ドリルを使用します。
最初切削、途中切削無し、最後切削
側面4.Φ5部分、キャップスクリュー頭隠し部分の面取り
先端90°の面取りバイトを使用し、面取り
側面5.リーマ加工
Φ5+0.01部分のリーマ加工
この工程により、面精度と、寸法が決まります。
側面6.M3タップ加工
M3タップ加工
以上により、この製品は完成
あくまで、この工程での加工方法は弊社の方法であり、別の会社様では違うかもしれません
2017P 一口メモ
・A2017Pは銅を加えているため、耐食性は良くないが、強度が高い。
・調質T3は焼き入れ後、冷間加工したもの、主な用途、建造物、車両、機械部品等に使われます。
・A2017は鋼材に匹敵する強度を持っていますが、耐食性、溶接性には劣ります。しかし切削性は良好です。
皆様、軽い気持ちでの見積もりお待ちしています。
今回はマシニング加工を紹介しましたが、NC旋盤加工も対応できます。