アルミ マシニング加工 t13×17×40 2-M2.5貫通ネジ A5052
アルミをマシニング加工します。
A5052アルミ材を使用し、仕上がり寸法13×17×40に2か所M2.5のタップをマシニング加工します。
A5052はポピュラーなアルミ材で加工はしやすいですが、切子がつながる為、カッターマーク対策が必要です→カッターマークとは切子が刃物に絡まり傷を付ける事です。
切削条件は考えないといけません。→切子がつながらない様な条件にする。またはプログラムで途中で機械を止めて切子を取る等
弊社でもよく依頼が来る材料です。
皆様のお役に立てるよう、いろいろなご相談、問題解決にもご協力させていただきます。
今回の加工を写真を使用し、工程を順を追って説明します。
完成品
1.材料購入
弊社の付き合いの有るアルミの材料屋さんは、切断もしていただけるのでとてもありがたいです。
表面には傷防止の為と、別のアルミ材との混同を防ぐため、防護フィルムが貼られています。
フィルムをはがすときれいなアルミの表面が出てきます。
切断面もノコ切断で寸法も揃っています。
この材料屋さんと出会う前は表面は傷だらけ、寸法はバラバラで加工する前のバリ取りや、寸法チェックなどの調整が大変でした。
2.材料チャッキング
今回の厚みの仕上がり寸法が、13の為、厚み15の素材を使用します。
約0.8mmをチャッキング思案す。
本来は、材料屋さんに6F(6面フライス加工)品を注文し、仕上がり寸法に加工して頂けると
加工が非常に早く終わりますが、現状は弊社レベルの小さな町工場では最終見積もり価格では購入できません
ジャンジャン仕事があり、強気の見積もりを提出しても仕事が来ないだけになります。
客先と価格に対し、調整すると材料を出来るだけ安く購入し、安く加工する以外に生き残ることは出来ません
テレビなどのベア、賃金アップは中小企業までで、弊社みたいな中小零細企業には夢のまた夢です。
3.外周荒加工
ラフィングエンドミルを使用し、外周を荒加工する。
今回の仕上がり寸法は、17×40の為、パソコンCAD/CAMでプログラムを制作し、加工します。
仕上げ代を0.2mm程度付けて加工します。
ラフィングエンドミルの良いところは、切子が粉々?バラバラになる為、切子が絡み部品に傷を付ける事が無く
切子処理も小さきなる為、良好です。
4.端面加工
端面の加工にはフェイスミル(FM)を使用します。
各社によって呼び名が違いますが、弊社ではそう呼んでいます。
5.センターリング
M2.5の下穴ドリルが曲がらず入るようにセンタドリルで取っ掛かりを加工する
この工程によりドリルは位置のずれ、曲がりを極力なくす
6.ドリル加工
今回のM2.5は並目のピッチ0.45の為、ドリルは2.1mmを使用する。
2.5-0.45=2.05=2.1のドリルを使用する。
7.外周面取り及びM2.5部分の面取り
この面取り用の刃物はZ方向(深さ)に加工すればドリルの様に加工が出来、穴の面取りに
横方向に移動させればエンドミルの様に加工が出来、角の面取りが加工できます。
8.外周仕上げ加工
仕上げ用のエンドミルを使用し、外周を仕上げ加工する。
この工程で、寸法と、表面精度を仕上げる。
以上で表面の加工は終了です。
9.チャッキング
表面とは寸法の違う板を敷き、裏面の加工をする。
表面は厚み0.8mm程度をチャッキングして全周加工しましたが
裏面はある程度(厚みの半分くらい)をチャッキングして加工します。
10.外周荒加工
荒加工用のラフィングエンドミルを使用し、外周を荒加工する。
いきなりFMで加工すると角部が割れたりするので、一手間ですが表面でチャッキングした部分を荒加工する。
11.端面加工
表面でも使用したFMを使用し、端面を加工する。
0.8mm程度は加工できますが、面精度が悪くなるため、0.5mmと0.3mmと2度に分ける
切削条件を変えることで、荒加工、仕上げ加工と同じ刃物で分けられます。
12.面取り
表面と同じ刃物、同じプログラムで加工できます。
13.M2.5P0.45タップ加工
非鉄金属用のタップを使用し、ネジ加工
ここで問題が発生、タップは通常どのメーカーもほぼ一緒の規格(今回は有効長)です。
加工できるタップの長さ(有効長)が12mmの為、貫通ネジは加工できないという罠が仕掛けられていました。
この値段で決まるか?という見積もりだったため不思議に思っていましたが、やはり一筋縄では行きませんでした。
このような場合にまず目を通して頂きたいのがNACHI様のタップです
他のメーカー様より有効長が長いタップが有ります。
今回もNACHI様のタップで事なきを得て完成することが出来ました。
以上で加工は終了です。
お見積り、ご相談お待ちしています。