A5056アルミ材CNC旋盤加工 Φ28穴15H7L18側面M5

A5056Φ30のアルミ材料を使用し、仕上がり寸法外径Φ28中心穴Φ15H7全長18側面にM5雌ネジのCNC旋盤を使用し、切削加工をします。

写真を使用し、工程を順を追って説明します。

A5056は旋盤加工に使用するには一般的なアルミ材で弊社でも多く使用する素材です。

 

 

1.材料チャッキング

Φ30の材料を必要な長さを出しチャッキングする。

外径を仕上げなければ、Φ28の材料を使用する。

各会社、使用する加工機によって素材の寸法は変わります。

ただ、最近の図面にはそれが明記されていない場合が多く見受けられます。

完成してから揉める事もあり初期打ち合わせが重要です。

 

2.外径、端面荒加工

荒加工用の刃物を使用し、外径と端面を荒加工する。

荒加工用の刃物は多く早く切削できますが、寸法や表面精度は出にくいです。

 

3.ドリル加工(14.8)

内径の仕上がり寸法はΦ15のH7の為、14.7のドリルで穴を開ける。

汎用のドリルも有りますが、数量が多かった場合、お金を掛けても良いドリルを使用すると

切削スピードが上がり、1個の加工単価は下がります。

本来は見積もりにドリル代を上乗せ出来れば良いのですが、なかなか厳しいです

総理、総理どうにかして

 

4.内径荒加工

内径の荒加工用の刃物を使用し、荒加工する。

仕上げ寸法がH7公差で厳しいため、この工程も寸法を出します。(ばらつかせない)

 

5.側面センター加工

側面のM5位置決めの為、センターリング加工する。

丸い部分にネジを作るため、M5用の面取りまで含め大きさを加工する。

側面の加工は回転工具、取り付けた刃物が回転する。

この工具はとても便利ですが、機械の値段が飛躍的に高くなります。

よって本来はマシン単価も上がりますが、上げることは出来ません

 

6.ドリル加工

M5の下穴として4.2が推奨されますが、弊社は+0.1大きなドリルを使用します。

よって今回は

5-0.8=4.2+0.1=4.3のドリルを使用します。

M5ーピッチ0.8

 

7.M5タップ加工

M5のポイントタップを使用し、ネジ加工する。

使用するタップの種類によって下穴寸法も決まります。

各タップにはメリット、デメリットが有り、大まかに分類すると

加工するネジが止まり穴か貫通穴かで分類されます。

今回は中心の穴に対し、側面のM5は貫通の為、ポイントタップを使用します。

 

8.溝逃がし加工

最後の工程として突っ切り(素材と製品を切り離す)工程となりますが、

一気に全部突っ切ろうとすると切子が絡まり製品に傷を付けてしまう

そのためある程度の突っ切りをしておく

 

9.外径、端面仕上げ加工

仕上げ用の刃物を使用し、外径と端面を仕上げる。

寸法及び表面精度を決める。

 

10.内径仕上げ加工

内径仕上げ用の刃物を使用し、内径を仕上げる。

Φ15H7公差の為、この製品の加工で1番気を使う工程です。

H7公差は、はめあい公差とも言い、JISで規定されています。

今回はΦ15の0~+0.018の間に内径を仕上げます。

 

11.突っ切り加工

溝入れ用の刃物を使用し、突っ切る。

素材と加工品を切り離す。

 

12.材料出し

専用の工具が材料を挟み→チャック開→引っ張り→チャック閉→逃げる→1工程目から加工開始

の順で2個目の加工が始まります。

以上でNC旋盤加工終了

 

1.ベンチレース加工 チャック取り付け

外径がΦ28用のチャックを取り付ける

 

2.ベンチレース加工 端面及び内径面取り

写真の右側の工具で端面を仕上げ、(全長が図面寸法に仕上がる)

写真の左側の工具で内径の面取り

 

以上でこの製品は完成です。

皆様見積もり、ご相談お待ちしています。

見積もり1口メモ

見積もりの際は今後同じ製品の注文が有りそうか無さそうかで若干見積もり値段が変わります。

この製品の為に専用で作る治具、専用工具が必要か否かで若干見積もり値段が変わります。

必要個数によって、弊社で材料在庫になる?ならない?でも見積もりは若干変わります。

10年ぶりの発注でもリピート品ですと言われると