C3604の平19六角材をM16.5×P0.5内径ねじをNC旋盤加工します
C3604真鍮の平19六角材を用い、M16ピッチ0.5の極細目内径ネジをNC旋盤で切削加工します。
私たちの会社は、横浜市神奈川区にてCNC旋盤とマシニングを中心に部品の切削加工を行っています。
多様な業界との連携がありますので、見積もりやご相談にも積極的に対応いたします。どのようなことでも、価格でも、挑戦します。
お問い合わせは、フォーム、電話、またはFAXでお気軽にどうぞ。
六角材はサイズの表し方として六角の対辺の幅で表します。
快削真鍮六角棒を使用します。写真を使用し、工程を順を追って説明します。
JIS 規格名及び記号 H3250 C3604B
旧JIS 規格名及び記号 H3422 BSBM2 快削真鍮棒2種
ワンチャックで加工する事により工程を省き早く安く製品を製作できます。
M16.5×P0.5の内径ねじは極細目のネジで特殊なネジの部類に入ると思います。
今回は客先よりねじの合わせ(ゲージ替わりに雄ネジの製品)を支給して頂き加工します。
M16.5×P0.5のねじはJISにもISOにも規格が無く、
他の管用平行ねじ(Ps)かユニファイ(UNF、UNC)ネジかと思いましたが、確かにM16.5×P0.5の製品が支給されました。
今回の加工品について、写真を用いて工程を順番に説明します。C3604真鍮の平19六角材にM16ピッチ0.5の極細目内径ネジをNC旋盤加工します。
NC旋盤加工
1工程.端面荒挽き加工
平19のC3604真鍮×1000mmをNC旋盤に入れチャッキング(捕まえる)します。
2工程.センタリング加工
内径ネジを加工する為、穴を開けます。
ドリルが曲がらずに入る為に取っ掛かりの加工です
3.ドリル加工。
M16.5のピッチが0.5なので計算上16.5-0.5=11.5の内径寸法を作る為、ドリルは1サイズ細く11.3を使用します。
4.内径加工
ネジ加工の為、内径を∮11.5で仕上げ、入り口にはC0.8の面取りをします。
ネジは基本的に先端に面取りをしますがそこにバリが出る為、ネジ加工→仕上げ加工→再度ネジ加工と言う工程で綺麗でバリの無いネジが加工出来ます。
5.内径ネジ加工
内径ネジ切りバイトにP0.5のチップを取り付ける、P0.5のチップで加工するメリットは、内径(内径ネジの山)の山も加工する為きれいなネジが加工出来ます。
P0.5のネジを加工するのに約3パスくらいで加工出来ます。(材質C3604の場合)
例:チャックが1回転(素材)する時に刃物が0.5mm進むとP0.5のネジが加工出来、長さ10mmの場合20回転刃物が10mm進む
実際には、チャックは2000r.p.m.くらいで回転させるため、10秒くらいで加工出来ます。
6.突っ切り
製品を突っ切る。
上記状態でNC旋盤はは1工程目に戻り新たに加工を始めます。(材料分加工)
NC旋盤加工終了、1工程目にプログラムが戻り新たに2個目の加工が始まります。
ベンチレース加工
NC旋盤で加工終了品をベンチレースで仕上げます。
NC旋盤を使いワンチャックで加工する事により平行度、同軸度、垂直度は問題になりません。
ベンチレースは標準のコレットチャック(1〜26mm)とブランクチャック(生爪)が有り、加工内容により使い分けます。
チャッキング
以上でこの製品は完成です。
黄銅(真鍮)製品は、NC旋盤加工及びマシニング加工共に切削加工を得意としています。
お気軽に、ご相談お待ちしております。
お見積りお待ちしています。
C3604真鍮一口メモ
C3604は、切削性に優れる黄銅(真鍮)材料で、別名「快削黄銅」とも呼ばれています。以下にC3604 の特徴と用途をまとめてみましょう
1用途
・C3604は鉛を1.8~3.7wt%含有しており、小物部品全般に使用されます。
・特に水を使うバブルや継手などで多用されています。
塑性加工の限界は低いため、鍛造や加締め加工には向きません。
2強度
・C3604は銅ー亜鉛系の合金で、適度な強度を持っています。
3耐熱性
・最低使用温度は⁻196℃であり、許容引張応力は+200℃までの値が記載されています。
・使用温度範囲は⁻196℃~200℃と考えてよいでしょう。
4耐食性
・C3604は銅ー亜鉛系の合金で、引張応力下で腐食環境に晒されると応力腐食割れ(時期割れ)のリスクが有ります。
・ろう付けなどで急冷すると残留応力が残りやすいため、問題となる場合は200~240℃程度で応力除去することが推奨されています。
5他の材料との使い分け
・カシメ性を良くしたい場合:C3602、C3771
・カドミレス(RoHS対応)材にしたい場合:C3604CdL
・鉛レス化したい場合:鉛レス材(C6801、C6802など)
C3604は切削加工で使用する材料として優れていますが、今後は非鉛黄銅材に移行する可能性もあるため、新規の部品であれば非鉛黄銅材の適用も考慮すべきです。