SNCM439 NC旋盤加工 仕上がりΦ16×L17穴8 黒皮Φ18加工
鉄 SNCM439をNC旋盤加工します。黒皮Φ18の丸棒バー材(1m)を使用し、
仕上がり寸法は最大外径Φ16で段差でΦ12.3付け根部分に研磨逃げ、長さ17、内径8+0.05~+0.1
内径の公差を出す仕事になります。
NC旋盤加工とマシニング加工は、横浜市にある東北製作所にご相談ください。
完成品
私たちの会社は、神奈川県横浜市にてNC旋盤やマシニングなどの機械を駆使し、切削部品の加工を行っています。
皆様にお役立ちいただけるよう、多様な業種との連携を持っております。
材質やサイズに囚われず、直接の加工依頼、お見積りやご相談をお待ちしております。
お問い合わせは、フォーム、電話、またはFAXでお気軽にどうぞ。
既製品では手に入らない部品の加工依頼を承ります。
これくらいのサイズの材料の場合、磨き材及び研磨材が加工可能なピーターマン型のNC旋盤か
弊社の様な生爪を使用して加工が出来るNC旋盤に分かれます。
ピーターマン式のNC旋盤は素材の外径の公差が出ていないと加工できないため、
弊社の油圧チャックでの生爪を加工したタイプのNC旋盤での加工となります。
今回は東京の芝浦の方の仕事です。
今回の加工品を写真を使用し、工程を順を追って説明します。
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SNCM439NC旋盤加工
1.端面、外径荒加工
外径、端面の荒加工用の刃物を使用し、荒加工する。
荒加工用の刃物は切削スピードが速くモリモリ加工できるため、やはり旋盤加工の1工程目に必要です。
2.センタ穴加工
次工程の穴の芯ずれ等を防止するためセンター穴を加工し、取っ掛かりとする。
穴の仕上げ寸法が厳しい為芯ずれには注意し、気を使います。
各社のカタログでは、大きくても小さくてもダメな様ですが、ドリル径の1/3程度が推奨されます。
3.ドリル加工
今回の穴の仕上がり寸法はΦ8+0.05~+0.1の為、7.6のドリルを使用します。
穴は開きますが、表面はガサガサです。
4.内径荒加工
仕上がりが8mmの為、6mmの内径加工用の刃物を使用します。
仕上げ代0.1mm程度残し、荒加工
この段階でドリルの加工跡が残るとドリルの芯振れが懸念され方法及び、使用刃物の変更等考えます。
写真では良く分かりませんが、ドリル穴よりきれいになり、入口に面取りも出来ました。
5.内径仕上げ加工
上記4.と同じ刃物を使用し、内径仕上げ加工
プログラムの変更で荒加工と、仕上げ加工に対応します。
内径の刃物が細い、寸法公差が狭い等有りますが、若干加工しにくいイメージです。
6.端面、外径仕上げ加工
客先で熱処理後、研磨を実施するため、付け根部分に研磨逃げを加工する。
付け根に研磨逃げを加工
プログラムでの寸法保障とさせて頂くと有難いです。
測定も試みましたが、NC旋盤で加工しているにも関わらず、測定結果がバラバラになりました。
所詮研磨逃げ、されど研磨逃げ。
7.突っ切り加工
突っ切り部分に0.2mm程度の仕上げ代を付け、突っ切る(切断)
NC旋盤での加工品はパーツキャッチャーに落下する。
8.引張
チャック傍に位置決め
挟みこむ
チャックをオープンし、既定の長さ引っ張る
チャックをクローズし、上に逃げる
以上でNC旋盤加工終了です。
ベンチレース加工
1.コレットチャック取り付け
弊社ベンチレース(小型卓上旋盤)はコレットチャックとしてストレートチャックが各サイズ揃っています。
今回はチャッキング部分の寸法がΦ12.3の為、12.5のチャックを取り付けます。
2.刃物取り付け(刃物研ぎを含める)
端面の仕上げ、内径面取り用の刃物を取り付けます。
手でグラインダーを使用し、それぞれの刃物が目的別に加工できるように研ぐ
①端面仕上げ刃物
②内径面取り刃物
①②の刃物を奥と手前に取り付ける
3.チャッキング
4.奥の刃物で内径面取り
5.手前の刃物で端面加工
以上で全ての工程が終了です。
チャッキングを外し、次の製品をチャッキングし、同じ工程で加工を続けます。
見積もり依頼、ご相談お待ちしています。
SNCM439及び特殊鋼一口メモ
SNCM439は、JIS G 4053機械構造用合金鋼鋼材に規定されている
ニッケルクロムモリブデン鋼の一種です。
強靭鋼で、焼き入れ・焼き戻し後の硬度は、HBWで293~352です。旧JISではSNCM8です。
炭素量(C)は0.39~0.43
ニッケル(Ni)は1.60~2.00
クロム(Cr)は0.60~1.00
モリブデン(Mo)は0.15~0.30
を含むニッケルクロムモリブデン鋼です。
S45Cと比較して若干寸法出しが難しいと思われます。
・合金鋼、工具鋼、特殊用途鋼に分類される。
・合金鋼はSC材、SCr材、SCM材に分類される。
・工具鋼はSK材、SKS材、SKD材、SKH材に分類される。
・特殊鋼は、普通鋼に対して機械的性質、耐食性、耐熱性などを向上させた鉄鋼です。具体的には①合金鋼②工具鋼③特殊用途鋼に分けられます。
・合金鋼は、調質を行って使用する。JIS鋼材規格のSC材やSCr材、SCM材が該当します。SC材は機械構造用炭素鋼の事で、
炭素量が0.1~0.58%までの範囲で規定されています。
・SCr材は機械構造用炭素鋼に約1%のクロムを添加し、焼き入れ性を向上させています。
・SCM材は約1%のクロムの他に、0.25%程度のモリブデンも添加し、焼き入れ性を更に向上させており、協力ボルトやクランク軸等に用いられています。
・工具鋼は①炭素工具鋼②合金工具鋼③高速度工具鋼に分類されます。
①炭素工具鋼はJIS鋼材規格のSK材で、炭素以外に特別な元素を含まず、炭素量が1~1.3%の高炭素の物は耐摩耗性が要求されるヤスリやドリル
炭素量が0.6~0.9%の低炭素の物はタガネや刻印等に使用されます。
②合金工具鋼はJIS鋼材規格のSKS材やSKD材で、炭素工具鋼の特性を改善するために、ケイ素、マンガン、クロム、タングステン、モリブデン、バナジウム等が添加され
切削工具用、冷間金型用、熱間金型用に分類されています。
③高速度工具鋼は、JIS鋼材規格のSKH材で、高速度切削に耐える工具鋼の事です。切削速度を上げることによる刃先温度上昇に対応するために、
高温における耐摩耗性が優れていることが要件です。
高速度工具鋼の製造には、偏析のない微細な炭化物が分散した状態を実現するために、粉末冶金法が利用されています。
・特殊用途鋼は、特別な用途に使われる特殊鋼の事で、ステンレス鋼や耐熱鋼、ばね鋼、軸受け鋼などが有ります。