SS400 NC旋盤加工+マシニング加工 アニール材 黒皮Φ55を使用

SS400 NC旋盤加工後マシニング加工します。使用する材料は黒皮Φ55のアニール材です(熱処理材)

SS400のΦ55×1000のアニール材を支給して頂きNC旋盤加工後

マシニングセンターによるフライス加工の切削加工をします。

 

NC旋盤1工程

端面及び外径荒引き

タンガロイ社製の荒引チップを使用し、加工分の長さを出し、加工開始。

アニール材の為、外周は黒く焼けています。

主軸を回転させ、端面は上から下に刃物を動かす。

外径は右から左に刃物を動かす。

素材外径はΦ55の為、Φ55から太い部分Φ50、細い部分Φ20まで数回に分け加工する。

 

NC旋盤2工程

 

溝入れバイトを使用し、外形溝加工

相手側の部品(多分リング状)のを入れた場合、端面にぴったり付けるために

隅Rを無くす為の溝だと思われる。

昔の発想だと研磨の砥石のR部分の逃げと思われる。

現在だと寸法は研磨寸法まで出します。

 

NC旋盤3工程

内径加工の為の穴を開ける。

センター加工後、ドリル加工する。

仕上がりがφ9±0.05の為、8.8のドリルを使用する。

 

NC旋盤4工程

内径バイトを使用し、内径を荒加工及び仕上げ加工する。

寸法はφ9±0.05の為、注意が必要な寸法です。

入口のC1も合わせて加工する。

 

NC旋盤5工程

外径及び端面の仕上げ加工をする。

外径寸法はφ20×ー0.075~ー0.115と最大の注意が必要な寸法公差です。

図面中は内径と外径の同軸度φ0.03、端面との直角度0.03と

こちらも注意が必要な公差ですがワンチャック(1度素材を掴んだら持ち替えない)

の為、注意しなくても公差を満足します。

 

NC旋盤6工程

外径突っ切りバイトで製品を突っ切る。

下に落下させると、傷が付く場合が有るので、手でもぎれるくらいに、溝を入れる。

 

以上でNC旋盤加工は終了です。

 

マシニング表1工程

バイスに治具を取り付け、製品がチャッキングできるように加工し、

チャッキングする。

マシニングの刃物の種類としては大まかに

・エンドミル、面取り

・ドリル、センター

・FM

等があり、加工する製品により選択する。また、初めての加工や、量産時のスピードアップ等、色々な情報と選択が必要です。

 

今回はHカットの為、幅を調整する。

 

マシニング表2工程

エンドミルを使用し、Hカットを実施する。

今回のHカットは中心線から寸法が入る為注意が必要です。

実際には測定ができない為、治具の出来が製品の出来を左右します。

φ50に旋盤で加工された部分をチャッキングし、加工します。

今回は片側14.5切削するため5回で削ります1回の切削は2.9mmです。

反対側も同様に切削することにより、Hカットが完成します。

 

マシニング表3工程

端面もマシニングで仕上げる

この工程により、全長の仕上がり寸法になります。

 

マシニング表4工程

中心と中心から20±0.2の部分に穴を開ける為、センターリング加工。

 

マシニング表5工程

中心から20±0.2にΦ5ドリル穴あけ

 

マシニング表6工程

中心にΦ15深さ35の段差の穴あけの為、Φ14.8のドリルで穴あけ

 

マシニング表7工程

穴の底が平らな為、エンドミルで深さと内径を加工し、仕上げる

内径の底部にピントが合わず写真は撮れませんでしたが、

径φ15深さ35の内径部分が仕上がります。

 

マシニング表8工程

先端90°の面取りバイトを使用し、面取り。

φ15の内径入口及び底部分、Φ5を1本の刃物で面取りする為、Φ10を使用する。

長さは40出してセットする。

φ15の面取りはC2

以上でマシニング表工程の終了

 

マシニング裏1工程

φ6の面取りバイトを使用し、Φ5穴の面取りと、Hカット部分のC0.5面取り

 

以上で全行程終了

 

見積もり、ご相談お待ちしています。

 

 

 

 

SS400とは

SS400はJIS規格における鉄鋼材料のひとつで、一般構造用の鉄鋼材である。

SSはStructual Steelの略で400は最低引っ張り強さを示します。

1994年のJIS改定前にはSS41と呼ばれ、改定前の図面等にはSS41と記されています。

ISOでは規定について未だ審議中の為、規定が有りません。

安価で流通が良く丸棒、板材ともにサイズもたくさん有り多くの分野で使用されます。

ここからは、経験にもとずく意見ですが、

一般的な鉄鋼材と言えばSS材もしくはS45Cに代表される機械構造用炭素鋼材ですが、

SS材とS45Cは溶接性が悪いらしいです。板金屋さんに代表されるSPCCはSS材に近い為

板金板と切削加工品を溶接する際は注意が必要です。SS材は含有物のバラツキが大きいらしいです。

昔の図面を見積もり、図面中の材料S45Cで納品しましたが、溶接後割れるというご指摘があったりします。

まるでいちゃもんです。

 

アニールとは

焼きなまし、焼鈍は加工硬化による内部応力の除去で、組織を軟化させ、

圧延性を向上させる熱処理である。切削性も向上すると思われる。