SS400t9×32×109のレーザー切断品をマシニング加工
客先よりレーザー切断された板を支給して頂き、マシニングにより
メスネジM3 M4 M6のネジ加工をします。
写真を使用し、工程を順を追って説明します。
1.センター加工
センター加工はセンタードリルを使用し加工します。
センタードリルは、溝長が短く剛性が有り刃の形状が位置ずれしにくい構造になっている。
本来センター穴を開ける為のドリルですが、通常のドリルでの穴あけ加工をする際の
位置決めに使われる。
センタードリルにはA,B,C,R型が存在し、先端角度も60°、75°、90°、120°と
用途に合わせて使用するセンタードリルは変わります。
2.ドリル加工
今回はM3、M4、M6のメスネジを加工するため3本のドリルを使用します。
タップはポイントタップ、通常の貫通穴用のタップを使用します。
ドリル寸法は
(ネジサイズ)ー(ピッチ)+0.1のドリルを使用します。+0.1は通常
ネジサイズーピッチで決まりますが、ネジ加工後の公差はプラス方向にある為
+0.1大きいドリルを使用します。
M3=M3×P0.5= 3-0.5=2.5+0.1= Φ2.6のドリル
M4=M4×P0.7= 4-0.7=3.3+0.1= Φ3.4のドリル
M6=M6×P1.0= 6-1.0=5.0+0.1= Φ5.1のドリル
3.面取り加工
面取りとは角または隅を斜めに削る加工方法の1つです。
JIS規格ー機械製図においては、寸法補助記号の表し方が規定されています。
丸の面取り・・・記号Rを寸法数値の前に同じ大きさで記入
R1→丸い面取りで幅1mm×1mmの丸い面取りを表す。
角の面取り・・・記号Cを寸法数値の前に同じ大きさで記入
C1→45°の面取りで幅1mm×1mmの45°の面取りを表す。
今回はタップ加工の面取りの為45°面取りで各サイズに応じた面取りの大きさになります。
よって先端90°の面取りドリルを使用します。
面取りはバリの除去の要素が大きいです。
4.タップ加工(メスネジ加工)
タップも各社いろいろなタップを開発し、それぞれの加工や素材に合ったシリーズを
取り揃えていますが、
SS400は各社の汎用タップで十分にまかなえます。
今回はネジが貫通の為ポイントタップを使用します。
タップ加工の場合タッパーを使用する事で、スラスト力が減少し、
工具寿命の延長、ネジ精度の向上に有効です。
弊社はカトウタッパーを使用します。
特徴として、
従来の伸縮タッパーは機械の「回転と送りの同期誤差」を吸収する機構でした。
それに対し、マイクロフロートの微小伸縮は、タップ及びワークにかかる負荷を
吸収する機構になっています。