SS41 □30×20 マシニング加工、管用テーパーねじRc1/4の加工をします。
SS41(SS400)をマシニング加工します。30角の材料を使用し、管用テーパーネジRc1/4の加工をします。
SS41はSS400(一般構造用圧延鋼材) の事で
S45C及びS50C(機械構造用の炭素鋼鋼)と並び鉄系では最もポピュラーな材料です。
今回は□30×21Lで材料屋さんに切断して頂いた物を購入し、切削加工します。
片側はΦ9.7、Φ7.9貫通→反対側はPT1/4 PT3/8です。
PTは管用(くだよう)テーパーネジの呼び方で、JIS及びISOで規格は統一されています。
テーパおねじ: R(旧PT). テーパめねじ: Rc (旧 PT).と呼ばれ、最終的にはネジゲージで確認し、合否の判断をします。
また、管用ネジには平行ネジが有ります。
弊社のマシニングは通常4台のバイス(ねじ作用で開閉する可動体の口金との間に,工作物をはさんで固定する作業工具)にワーク(加工する素材)を固定し加工します。
弊社は横浜市神奈川区でNC旋盤加工及びマシニングセンター等の機械を使用し、切削部品加工をしています。いろいろな業種との繋がりもございますので、見積り、ご相談にも協力させていただきます。こんな事出来る?こんな値段で出来る?にも挑戦します。
お問い合わせフォームもしくは電話、FAXでお気軽にご相談ください。
今回の加工品を写真を使用し、順を追って説明します。
マシニング加工
管用テーパねじ (水密、気密を必要とする部分) | テーパおねじ | R | PT | JIS B0203 | ||
テーパめねじ | Rc | PT | ||||
平行めねじ | Rp | PS |
1工程→端面荒加工
・仕上がり寸法が20Lの為、片側0.4mm削ります。
荒加工は文字どうり表面の仕上がり(表面精度、綺麗さ)は関係なく厚く早く削ります。
2工程→端面仕上げ加工
・仕上がり寸法が20Lの為、片側0.1mm削ります。
仕上げ加工は文字どうり表面の仕上がり(表面精度、綺麗さ)
及び寸法公差を出すため薄く早く削ります。
3工程→穴あけ加工加工
・ドリルでネジの下穴を開けます。
この製品には三菱マテリアル社製の座ぐり穴用ハイスミーリングシャンクドリル
バイオレット高精度ドリルを使用します。
数量が少ない時には専用工具として使用はしませんが(試作時)、
量産になり、数量が増え、価格が下がる?時には加工時間の短縮等、工夫しないと
赤字製品になってしまいます。
この先端形状のドリルを使用することにより通常は
1.センタリング加工
2.ドリル穴あけ加工
3.エンドミルで底を平にする加工と3工程かかりますが
座ぐり用ハイスミーリングシャンクドリルバイオレットを使用すると直接穴が開き底が平に仕上がる為
このような形状には便利なドリルです。ドリルサイズ、価格との闘い
また、見た目の形状からロウソク刃とも呼ばれたりします。
本来はまさに座ぐり穴用(キャップスクリュー、六角穴付きボルト)の頭の部分を隠す為の
穴あけのドリルですが、最近各サイズのラインナップが充実してきました。
3工程省けるためドリル代が高くても、総加工時間が短くなる為、価格的にお安く加工出来ます。
4工程→穴面取り加工
・ドリルで開けた穴の淵を面取りバイトで面取りします。
通常の穴は0.1〜0.3程度、ネジの入り口はそのピッチ分大きく面を取ります。
45°の面取りの場合はCで表します。(C0.5→45°の面取り工具で径方向0.5mm、深さ0.5mm削ります)
5工程→ネジ加工
困ったときの知恵袋 管用テーパーネジ
管用テーパーめねじは、旧JIS規格ではPT1/2-14などとPTの呼び記号が使用されていました。
しかし、現行のJIS規格ではRc1/2-14などとRcの呼び記号が使用されています。
でも実質的な、めねじ寸法はPT1/2-14もRc1/2-14も同じで変わりません。
規格 呼び 谷の径の基準寸法 有効ネジ部の長さ(最小)
旧JIS PT1/2-14 20.955 12.7
現JIS Rc1/2-14 20.955 12.7
管用テーパーネジを検査する管用テーパーネジのプラグゲージにも
PTとRcが存在しますが、形が少しだけ違ったりしますが、実質的には同じで変わりません。
きちんと理解して使用すれば、PT、Rcどちらのゲージでも検査出来ます。